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ずっと不具合修正していて開発スピードも遅い。どうする?



システム開発の変遷と現状の課題

当初、少人数で構築した初期システムは、業務の基盤として機能していました。しかし、事業の拡大に伴い、より大規模で高度なシステムが必要となり、新たなシステム会社を起用して大規模なリプレイスを実施しました。この移行により、システムの機能性や安定性は向上しましたが、同時に新たな課題も浮上しています。

現在、システムの保守運用には多額の月額費用が発生していますが、その高額な投資に見合う成果が得られているとは言い難い状況です。特に開発スピードの遅さが大きな問題となっており、ビジネスニーズに即応した新機能の実装が困難になっています。この開発の遅延は、市場競争力の低下や顧客満足度の減少につながる可能性があり、企業の成長を阻害する要因となっています。

さらに、高額な費用を支払っているにもかかわらず、システムの改善や機能拡張が思うように進まないことで、投資対効果に疑問が生じています。この状況を打開するためには、開発プロセスの効率化や費用対効果の見直しが不可欠であり、現状のシステム開発体制を根本から再考する必要があります。

長期化する不具合と不透明な開発プロセス

システムのリリースから数年が経過しているにもかかわらず、依然として多くの不具合が解消されていない状況が続いています。これらの問題は、ユーザーの日常業務に支障をきたすだけでなく、システムへの信頼性を大きく損なう要因となっています。長期にわたって解決されない不具合は、システムの安定性や信頼性に対する疑念を生み、結果として業務効率の低下や従業員のモチベーション低下につながる恐れがあります。

さらに問題を複雑にしているのが、開発会社からの報告の曖昧さです。多額の費用を投じているにもかかわらず、その使途や成果が不明確であることが多く、投資の正当性を評価することが困難になっています。開発会社からの報告が具体性に欠け、技術的な詳細や進捗状況が明確に示されないため、システムの改善がどの程度進んでいるのか、また、どのような課題が残されているのかを把握することが困難です。

このような不透明な状況は、システム開発プロジェクトの管理や意思決定を困難にし、結果として効果的な改善策を講じることを妨げています。開発会社との信頼関係を構築し、透明性の高いコミュニケーションを確立することが、これらの問題を解決するための重要なステップとなります。

コスト削減でリソースの最適化

開発スピードを向上させるためには、システム開発コストの削減が不可欠です。一見矛盾するように思えるかもしれませんが、コスト削減は単なる費用の圧縮ではなく、リソースの最適化と再配分を意味します。つまり、無駄を省き、効率的な開発プロセスを構築することで、同じ予算でより多くの成果を生み出すことが可能になるのです。

コスト削減によって浮いた資金を、新機能の開発や既存機能の改善に充てることで、開発スピードの向上が期待できます。例えば、自動化ツールの導入やクラウドサービスの活用により、開発環境の整備や保守作業の効率化を図ることができます。また、アジャイル開発手法の導入により、迅速な機能リリースとフィードバックの収集が可能になり、より効果的な開発サイクルを実現できます。

さらに、開発チームのスキル向上や、外部リソースの戦略的活用も、コスト削減と開発スピード向上の両立に寄与します。社内開発者のトレーニングや、専門性の高い外部エンジニアの短期雇用など、人材への投資も重要な戦略となります。これらの取り組みにより、開発の質を維持しながらスピードを向上させ、結果として競争力の強化につながることが期待されます。

システム開発の透明性と妥当性の確保

システム開発プロセスの改善において最も重要なのは、開発工程や開発過程の可視化と妥当性の担保です。多くの場合、システムの比較検討ができないため、現在のシステム開発のコミュニケーションや進め方が一般的であると誤解されています。しかし、この認識は必ずしも正確ではなく、効率的な開発を妨げる要因となっています。

システム発注の担当者は、多くの場合技術的な専門知識を持ち合わせていないため、開発者や技術者の説明を鵜呑みにせざるを得ない状況に陥っています。たとえ開発の進め方に違和感を覚えたとしても、その妥当性を判断する基準や知識がないため、質問や異議を唱えることが困難です。この状況は、非効率な開発プラクティスの継続や、不必要なコストの発生につながる可能性があります。

この問題を解決するためには、開発プロセスの透明性を高め、非技術者でも理解できる形で進捗や課題を可視化することが重要です。例えば、定期的な進捗報告会の開催、わかりやすいダッシュボードの導入、外部の専門家によるレビューなどが効果的です。また、システム開発の基本的な知識やベストプラクティスについて、発注側の担当者にも教育を行うことで、より建設的な対話が可能になります。

これらの取り組みにより、システム開発の透明性と妥当性が確保され、結果として効率的で効果的な開発プロセスの実現につながります。

まとめ

結果として、技術者の工数と称して月々の費用や、ひどいものでは言語のバージョンアップと称して、何もしていないことに費用を支払っていることもあります。不明点はシステム発注の担当者が理解できるまで聞くべきだったと思います。

システムを発注する担当者は技術的なことについても、ある程度はわかるようにしておくべきです。その上で、目の前の作業と未来のリスクを洗い出し、第三者を加えて妥当な発注金額を精査するようにします。開発体制と過去の対応について、振り返りを行って、コミュニケーションロスが起きている部分を排除します。コミュニケーションロスが減れば必然的に開発速度が上がります。さらに、明確な分業を行うことによって開発のスピードは以前とは劇的に変わっていきます。

また第三者は、「利害の発生しない」という関係性がポイントです。利害関係があると、システムの発注をもらうためのアドバイスに偏ってしまうからです。