PM(プロジェクトマネージャー)が忙しいと、必然的にプロジェクトが炎上します。これは、優秀なSE(システムエンジニア)が出世魚のようにPMになっていることが多く、PMといってもマネジメントしているというよりは、進捗管理とユーザー部門やエンドユーザーのご用聞きをしていることがほとんどです。諸外国と比べると日本におけるIT分野のPMは、多くは開発者を取りまとめるPL(プロジェクトリーダー、開発者達のリーダー)という立場のようです。そのため、稼働(時間給、人月)という単位で労働量を測られるPMにおいては、炎上してもしなくてもプロジェクトが成功しても失敗しても、書類を作っていればOK、会議を作っていればOK、進捗を管理すればOK、というような状態になってしまいます。その元で、設計をする人、プログラミングをする人が働くため、当然ながらSEやPG(プログラマー)は炎上に巻き込まれ、心が病み、人員が足りなくなり、どうしようもないプロジェクトになっていく、といった悲惨な状況を生み出してしまいます。
ユーザー部門やエンドユーザーは、エンジニアの力量を測る術をもたないため、稼働という単位を押し付けてしまいがちです。とにかく稼働すればいいものが作れるかというとそういうわけではありませんし、そのことをよく知っているのはユーザー部門やエンドユーザーだったりします。しかし、現場では客観的にPMと思われていても実際中身はPL(開発者達のリーダー)に任せてしまうといったことが発生し、結果として失敗の確率が上がってしまいます。現代における日本のITプロジェクトの成功率は50%と言われています。ずいぶん改善されたものの2件に1件は失敗しているのです。
つまり、開発者達のリーダーにプロジェクトのコントロールを複数任せることが炎上につながることがわかりました。名選手が名監督になるわけではない、という誰かの名言に似ています。優秀なSEがPMをやっても上手にプロジェクトマネジメントはできないということになります。
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COMTORを通じて開発者をマネジメントする
社内にシステム開発部門を持たなくても、COMTORがいれば社内のシステム開発が成り立っているケースもあります。COMTORとは、ITのことがわかるトランスレーター(翻訳者)のことであり、ITコミュニケーターの略としての造語です。COMTORを活用することで、ベトナムでシステム開発は行い、コントロールはすべて日本で行うといったことが可能になります。
日本に在住しているベトナム人の人口は、中国人に次いで第二位になっています。社内にCOMTORを置くことで、タイムラグなく多くのベトナム人SEに動いてもらうことが可能になります。ベトナムでSEは人気職種であるため、優秀な人が多く、若い働き手が豊富です。
日本におけるCOMTORの役割
・お客様から仕様書やデザインを受け取って翻訳し、開発チームに展開できる
・システム開発において発生する質問やフィードバックの翻訳ができる
・コミュニケーションを円滑にするため、最新技術の知識が身に付いている
・毎週の定例会議において、会議の進行や議事録の作成を行うことができる
・お客様へ納品する前に動作検証を行うため、システムのことを把握している
・急な連絡があっても、すぐに対応できるようにプロジェクトの概要を把握している
・プロジェクト管理、タスク管理、時間管理、顧客折衝ができる
・問い合わせがあった企業に行って自社の会社説明をすることができる
・見積書を作成したり、契約書などの書類をやりとりができる
どうでしょうか。まさに痒いところに手が届く、PMO(補佐としての)の役割に近いかもしれません。すべてのCOMTORができるわけではありませんが、実際に日本で活躍しているベトナム人COMTORの多くは網羅できている内容だと思ってよいと思います。
まとめ
PL(開発者達のリーダー)の立場ではなく、PMとして現場に介入するわけでなく、しっかりと優秀な技術者をコントロールするという体制にすることによって、本来のPMの役割ができることが、プロジェクト炎上を回避する方法のひとつです。PMは未来で起きうる様々な変化に対応するための準備にもっと時間を使えることが、プロジェクトを成功させるための秘訣であるかもしれません。
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