
効果検証から始める
試しにAIを導入してみて、効果を見てから予算取りを行っていきたいと多くの人は考えています。とりあえずツールを導入したいといった理由で、なかなか費用を使っていいとはならないでしょう。このような慎重なアプローチは非常に理にかなっており、実際の効果を数値で示すことができれば、その後の本格的な導入に向けた予算確保もスムーズに進むはずです。まずは小さく始めて、確実な成果を積み重ねることが重要になってきます。
可視化による検証
AIの効果を確認してから検討することを考えたときに最初にやることは、実はUI(ユーザーインターフェース)の部分です。例えば、グラフの表示などです。結果として何ができれば、どういった業務がどれくらい短縮されるのかを第三者が見ても確認しやすいからです。データの可視化により、AI導入前後の変化を明確に示すことができれば、関係者全員が効果を実感できます。特に経営陣への報告時には、視覚的に分かりやすい資料があることで、プロジェクトの価値を効果的に伝えることが可能になります。
システム開発の懸念
UIを作るとなると、結局はシステムの開発が必要になってしまうのではないかという懸念が生まれます。あるいは、システム開発を行うことで、そもそも期待したAIの活用がなされなくなってしまったりすることもあるでしょう。これは、目的をシステム開発とAIとに分けているからです。本来であればAI活用による業務改善が目標であったにも関わらず、システム開発が主目的となってしまい、AI機能が後回しになってしまうケースも少なくありません。このような本末転倒を避けるためには、プロジェクトの優先順位を明確にすることが不可欠です。
統合的なアプローチ
AIはAIの会社に発注する、UIはシステム開発会社に発注するといった、区分けをしてしまうことに誤りがあります。まず、やるべきことを分解するのではなく、ITに対する知見のある人に区分けから入ってもらい、技術的な判断も行いつつKPIを作っていくことが重要になります。これは市民開発と呼ばれるものにちかく、自社内でローコードを使って軽く開発することを意味します。技術的な専門知識を持つ人材が全体を俯瞰し、最適な技術選択とプロジェクト設計を行うことで、効率的かつ効果的なAI導入が実現できるのです。
まとめ
部署やグループを横断した視点を持つことがとても大切であることがわかりました。ツールや部分的な技術を目的としてしまう前に適した組織体であることの確認が大切です。AI導入を成功させるためには、技術面だけでなく組織運営の観点からも準備を整える必要があります。
AIを使うことだけを意識したDXプロジェクトはうまくいくとは限りません。やはり業務を俯瞰的に整理していくことがプロジェクト成功の鍵です。これまでのIT資産の整理もアタラキシアDXで対応していますので、お気軽にご相談くださいませ。