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【システム開発プロジェクト炎上診断】 ~ 全体編(いくつ当てはまるかで危険度がわかる)

システム開発プロジェクト炎上診断について全8編のシリーズ記事です。
初回は、システム開発プロジェクトをうまく進められるか、炎上してしまうかを判定するために見るべき観点の簡単な説明です。
巻末にチェックリストを添付しているので、今まさにプロジェクトマネージャーをしているという方は、確認してみてください。いくつの項目に当てはまるかで炎上する可能性がわかります。
今後、各観点の詳細な項目と、なぜ危険かの理由を解説していきます。

システム開発プロジェクトが炎上する7つの観点

これまでにいくつものシステム開発の炎上プロジェクトを見てきて、炎上する要因として7つの観点を抽出しました。


①見積り ~ 見積りの甘さ
いくら優秀なPMと精鋭を揃えた体制であっても、見積りが甘ければどうしようもありません。契約として合意したことは、見積りが甘かろうが必ず遂行しないといけないのです。誰もが、そのことをわかっているのに、失敗プロジェクトの反省会で必ず上がる見積りが甘かったという理由は、なぜなくならないのでしょうか。反省会をするよりも見積りの勉強会をする方が効果的です。


②計画 ~ 杜撰な計画
無理のある計画、あまり考えていない計画、抜け漏れまくりな計画、多くのシステム開発をみてきて、計画が十分ではないプロジェクトは必ず炎上を引き起こします。技術力に長けたエンジニアの集団であれば、計画がなくても完成させることはできるかもしれませんが、納期とコストを守ることは難しいでしょう。
計画を作った人には、それが杜撰かどうかわからないことが、この病の怖いところです。


③全体像 ~ 全体が見えない
「木を見て森を見ず」まさにこの状態です。プラモデルでもIKEAの家具でも完成図がないのに作り上げることは、もはや芸術です。
システム開発におけるシステム全体図はプラモデルで言うパッケージに描かれた完成イメージであり、機能一覧はパーツ一覧です。
この2つの成果物の重要性を理解していないPMがいると愕然とします。
システム全体設計は、プログラミングとも一機能の設計とも異なる能力と経験が必要です。


④管理 ~ 何をやったかは管理ではない
管理という言葉の意味を辞書で引いてもその本質は分かりにくいです。管理とは、健全さを保持することですが、システム開発における健全とは、基準値通りであるということです。進捗管理で言えば、基準は計画なので、計画通りに進めているか、計画との乖離を見ていくのが進捗管理です。そして現状の乖離具合から先の見通しを立てることで状態の重大さを理解することが大切です。日報のように今日何をやったかは管理ではありません。


⑤体制 ~ 脆弱な体制
野球なら9人、サッカーなら11人いないと試合で戦うこと自体に無理がありますが、システム開発プロジェクトでは、体制が揃っていない中でスタートすることはよくあります。当然、空きポジションを埋めた急拵えチームでは、なかなか思うようには進めません。
しかしながら、やり方次第では、弱小チームが常勝チームに変貌することは出来るかもしれません。それには、責任と役割を自覚してもらうことが、最低限必要です。


⑥PM ~ 能力と経験と性格
東京オリンピックで女子バスケの活躍は、凄かったです。システム開発のプロジェクトマネージャーはサッカーや野球など団体スポーツの監督に似ています。技術の高い人だけ揃えても勝てないチームもあれば、個々の技術力はそれなりでも監督の素晴らしいリードによって優勝することもあります。これまでに上げた①~⑤までの観点もPMがしっかりしていれば、なんとかなります。


⑦マネジメント ~ 責任を取りたくない管理者
プロジェクトの実質的な責任者は現場で指揮するPMです。プロジェクトにおいて必ず何らかの問題は発生し、内容によってはPMの範疇を超えた対処が必要な場合もあります。そのためにいるのがPMの上司となるマネジメントです。仕事が出来ないダメな上司でも、腹を括って早い決断をしてくれる人は、すごく頼りになります。いくら仕事が出来たとしても、いざという時に助けてくれない、決断の遅いマネジメントは、さすがにお手上げです。

炎上診断の項目と方法

7つの観点で全40項目あり、1つの項目を5段階で評価して、全部で200点満点です。半分の100点を下回る場合は、炎上の可能性が高いと思った方が良いでしょう。
ここでは5段階評価の基準は開示していないので、当てはまる項目の数で診断してみてくください。

システム開発プロジェクト炎上診断チェックリスト

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