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会議、会議、会議・・・仕事にリズムが大切な理由とは?

なぜかうまく進んでいない。精鋭を抱えた体制に緻密なスケジュールもあり、管理プロセスもしっかり定義されているのに、何がいけないのか。それなりにちゃんとしているのにうまく進んでいないシステム開発プロジェクトに参画すると、常にバタバタしていて自分のペースで動けない状況に居心地の悪さを感じます。プロジェクトマネージャーを任される人であれば、体制・スケジュール・管理プロセスといった教科書的なポイントは、当たり前に理解していると思いますが、実際にプロジェクトが始まると、思い描いた通りに進まない問題に直面することがあると思います。私が、問題のあるプロジェクトの立て直しに入って感じること、そしてうまく進みだしてきた時に感じること、それは、リズムです
うまくいっていないプロジェクトはリズムが悪く、うまく推進している時はリズムが良いのです。遮るものがなく流れる水のように、鹿威しが刻む音のように、とまでは言わないものの、良いリズムは無駄のない進みと心地よさを感じます。システム開発プロジェクトを計画通りに進めるためには効率性の追求が必要で、効率は余裕を生み出し、想定外の事態もうまく対処できることに繋がります。この効率の追求が、良いリズムを作り、プロジェクトの円滑な推進を支えてくれるのです。逆に言うと、リズムが悪いと効率も悪くなってしまいます。これは、システム開発に限らず仕事全般に言えることだと思います。今回の記事では、システム開発プロジェクトを例に、効率を阻害する要因と良いリズムの作り方について紹介します。

かんたんイラスト(記事を読む時間のない人へ)

効率を阻害する要因(例)

プロジェクトを円滑に推進したいと思っていても、仕事をする上で当たり前のことによって効率が阻害されている可能性があります。個々人にとっては些細なことでも、プロジェクト全体で考えると相当な非効率になるので、プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の事を考えて、当たり前を疑うことも大切になります。
・アドホックな会議
定例的な会議は誰しも抱えていると思いますが、それに加えて日々アドホックな会議が頻発してないでしょうか。このアドホックな会議は、調整の手間も含め馬鹿にできません。今どきはリモートワークが中心なので、オンライン会議を設定するだけですが、それでも参加者全員の予定の合う時間帯を探し、人によっては別会議の調整も発生します。またオンサイトの職場では、会議室の確保や移動も必要で、全体で考えるとちりつもで、かなり効率の悪いことです。
・断続的な会議
プロジェクトマネージャーやチームリーダーにもなると、毎日なんらかの会議が設定されていることに加えて、空いている時間帯があればアドホックな会議がセットされて時間を削られていきます。その結果、1日の予定のほとんどが会議で埋まり、会議と会議の合間が30分など微妙な時間の繰り返しとなってしまうのです。この非連続な隙間時間は、集中して仕事をすることを難しくするため、個々人の作業が捗らない状況になってしまいます。開き直って朝早くや夜遅く仕事をする人もいますが、管理職以外の社員や協力会社のエンジニアが残業でカバーすると、単純にプロジェクトのコスト増となりますし、健全な働き方とはいえません。
・チャット
システム開発プロジェクトでは、チャットなどコミュニケーションツールは当たり前に使われており、良い面もありますが、悪い面もあります。メッセージを送る側は、即答を期待して聞きたいことを送りますが、すぐに返事がないと作業が瞬断してしまいます。受ける側は、集中して作業している時に、別の内容の問い合わせが入ると頭を切り替えで回答しなければならず、集中が途切れます。使い方にもよりますが、マシンガンのように皆が乱れ打ちをすると、大変な状況に陥ります。

仕事にリズムを生む出す3つのアイデア

システム開発プロジェクトの仕事を効率よく進めるためには、リズムを考えることが大切です。個々人で効率的なやり方を考えることも大事ですが、プロジェクトとして決めてしまうのもやり方の一つです。些細な事ではあるけれど、円滑なプロジェクト推進に効果的な3つのアイデアを紹介します。

1.出来るだけ会議を定例化する
進捗会議は、曜日や時間を決めて定例化していると思いますが、進捗会議以外の検討会や相談の時間など出来るだけ会議は定例化するべきです。例えば、月曜日に内部レビュー、火曜日にクライアントレビューという具合に検討会を定例化することで、開発担当者は「いつまでに何を仕上げる」「いつクライアントと会話する」というリズムを1週間の中に作れるようになります。各タスクの期日はWBSに定義されていたとしても、曜日を固定することで、開発担当者は自然と頭の中でスケジューリングできるようになります。この1週間のリズムを数か月も続けていると習慣化されて、プロジェクトメンバー全員に仕事のリズムが生まれます。
また、この定例化した会議枠は、議題がなければスキップするだけですので、必要な都度、会議を開催するより効率的です。

2.作業集中DAYを作る
システム開発では、どのような立場の人でも仕事が溜まりがちです。特にチームリーダーやプロジェクトマネージャーは、会議で予定が埋め尽くされた上に、突発的な相談や問い合わせなどで、本来の自分の仕事が進まないという事態が常態化します。このように忙しいチームリーダー以上の人におすすめしたいアイデアが、作業集中DAYです。週に1日(あるいは半日)は作業集中DAYを設定し、自分の作業に集中します。例えば、毎週金曜日の午後を作業集中DAYにすると決めたら、毎週その時間帯は予定をブロックしてしまいます。会議も入れないし、入れさせない、チャットも不可とプロジェクト全体に宣言してしまいます。こうすることで、その週に溜まった仕事を作業集中DAYで一気に捌いてしまうのです。これにより、プロジェクトの主要メンバーは、仕事を翌週に持ち越さないリズムが出来上がります。ただ、これを個々人で好きに設定されるとコミュニケーションを取ることが難しくなってしまうので、出来ればプロジェクトで定めた方が良いです。

3.スモールマイルストンを置く
会議の定例化や作業集中DAYは週単位でのリズムを体にインプットできますが、毎週同じことの繰り返しなので長い期間続けていると間延びしてきます。そこで有効なのがスモールマイルストンの設置です。マイルストンは、プロジェクトにおいて節目となるポイントとして全体スケジュールの中でフェーズの切り替えタイミングなどに設定されますが、長丁場のプロジェクトの場合には、3ヶ月先ということも有るので、もう少し短いスパンでマイルストンを設定するのです。手の届く目標としてスモールマイルストンによる山場を作ることで、単調な仕事にメリハリが出るとともに推進している充実感を感じられて、プロジェクト全体にリズムが生まれます。

まとめ

システム開発プロジェクトは、想定外のことが起こったとしてもクライアントから求められるQCDを守って推進しなければなりません。そのためには、効率性の追求は必須で、それにはリズムが大切です。このリズム作りは、提案書やプロジェクト計画書で訴えてもクライアントには響かないことかもしれませんが、実際にプロジェクトを推進するうえでは、とても重要なことです。今回紹介したアイデア以外にも、これまで当たり前に考えていたことで、もしかしたら効率を阻害していることがあるかもしれません。プロジェクトマネージャーには、効率の追求と良いリズムを意識して欲しいと思います。

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