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市民開発とは|マクロとどう違う?

誰でも開発できる時代

市民開発(Citizen Development)とは、IT部門やSIerに依存せず、業務部門などの非エンジニアが自らアプリケーションを作成する取り組みを指します。従来は「プログラミングができないと無理」と思われがちでしたが、現在ではノーコード・ローコードツールの登場により、非技術者でも業務に必要なツールを構築できるようになりました。代表的なものとして、SaaSベースの業務アプリやMicrosoft Power Platformなどがあり、これにより業務現場の課題解決が加速しています。

IT人材不足の裏事情

市民開発が注目を集める背景には、深刻なITエンジニア不足があります。人手が足りないなら、自ら開発するしかない——この流れが市民開発を後押ししています。ただし、その原型とも言えるのがExcelマクロです。かつてから現場では、個人PC上で動作するマクロが業務改善ツールとして使われてきましたが、その多くが属人化し、結果として保守不能な“遺産”になっているのです。

Excelマクロの限界とは?

Excelマクロの最大の弱点は「ファイル単体依存」です。複数人での同時使用や、プログラムの共有に極めて不向きです。マクロ付きファイルをコピーすれば、そのコピーごとに独立した修正が可能となってしまい、誰がどのバージョンを使っているのか把握が困難になります。しかも、更新履歴の管理も難しく、組織全体の業務統一を図るには限界があります。こうした特性が、非効率と混乱を招く原因になっているのです。

野良プログラムの闇

属人化の果てに起きるのが「ブラックボックス化」です。Excelマクロにパスワードがかけられ、開発者も不在、でも業務には欠かせない……そんな状態が現場には数多く存在します。しかも、これらは情報システム部の管理外で「野良プログラム(シャドーIT)」と呼ばれ、セキュリティリスクも高まります。結果として、誰も触れず、誰も捨てられず、今も現場の根幹に鎮座しているのです。これはまさに、手遅れになる前に対処すべき課題です。

まとめ

市民開発は、Excelマクロに代わる次世代の業務改善手段となり得ます。ローコード・ノーコードの活用により、野良プログラムの乱立を防ぐためには、組織としての運用ルールとガバナンスの確立が不可欠です。アタラキシアDXでは、Power Appsを活用し、手遅れになる前にブラックボックス化したマクロのリプレイス支援を行っています。

アタラキシアDXでは、Microsoft社のPower Platform(Power Apps)を中心に、いにしえのExcelマクロの置き換えやブラックボックスとなってしまった担当者不在のシステムのリプレイスを行っています。
属人化が手遅れになる前に、いにしえのExcelマクロをAIを使ったモダンな仕組みにしませんか?