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業務可視化から始めるDX(業務分析手法)

DXの第一歩とは

いきなり顕在化しているアナログをデジタル化するだけでは業務改善とは言えません。真の業務改善を実現するためには、表面的な問題解決ではなく、根本的な業務の見直しが必要です。業務を可視化して正しい業務分析を行うためには、ある程度のステップを踏む必要があります。私は、単純なデジタル化は一時的な効率化にとどまり、長期的な競争力向上には繋がらないと考えています。

明確な目標の重要性

まず、目的とゴールを明確にする必要があります。なぜ業務分析をするのか、何を達成したいのかを明文化することが重要です。例えば、「手戻りを3割減らす」「問い合わせ対応時間を半分にする」「余剰コストを1千万円削減する」などの具体的な数値目標を設定します。曖昧な目標設定では、後の分析や改善施策の効果測定が困難になってしまいます。定量的で測定可能な目標を立てることで、分析の方向性が明確になり、成果を客観的に評価できるようになります。

業務の可視化技法

現在の作業タスクのすべてをまずは網羅的に洗い出して、分類を行います。複数担当者で付箋にタスクを書き出し、重要度マトリクスや緊急度マトリクスで整理する方法が非常に有効です。また、必ず用意しておきたいのが、業務フロー図と業務の分担表です。誰が、いつ、どこで、何をしているかを図式化することで、無駄や重複、ボトルネックが浮き彫りになります。このプロセスにより、今まで見えなかった非効率な作業や不要なプロセスを発見できるのです。

課題の優先順位付け

課題の本質がまとまったら、重要な事項と緊急の事項などを切り分けて、本質的ではない事項は思い切って削除や軽減を検討します。また、抽出した課題は小さな原因に分解していき、根本原因を探ります(要因分析)。リソースが限られる場合には、ABC分析(例えば顧客ランク別)で、重要顧客に注力できるよう業務配分や訪問頻度などを見直します。定量データや日報などのログ、クレームデータの活用も効果的です。AIで課題を解決するより前に、膨大な過去データをAIに処理させるのも良いでしょう。

まとめ

定量化・定性化できれば、効果検証につなげる改善策と実行計画を策定します。正しい業務分析とは、単なるデジタル化ではなく明確な目的に基づいて、ボトルネックを可視化し、データと構造化された分析を行うことなのです。継続的な改善こそが真のDXを実現します。

正しい業務分析とは、単なるデジタル化ではなく明確な目的に基づいて、ボトルネックを可視化し、データと構造化された分析を行うことです。また、これらの分析から、計画的に改善を実行し組織に定着させるプロセスが大切です。アタラキシアDXならシステム開発だけでなく、業務分析から相談に乗ることができますよ