
PMスキルの本質を問う
スキルシート上のPMスキルは、開発言語や開発環境の経験を中心に記載されることが多く、SEの延長線上での理解に留まっているのが現状です。しかし、PMに本当に求められるのは、発想力や提案力といった創造的な能力です。そのため、純粋な技術スキルだけでなく、問題解決に向けた姿勢や考え方を重視する必要があります。
従順な世代の課題
就職氷河期以前の世代は、幼少期から従順さを美徳として教育されてきました。特に日本の企業文化においては、「許可されるまでは禁止されている」という考え方が根強く残っています。
この思考パターンは、業務における判断や行動の自由度を著しく制限し、イノベーションや創造的な問題解決を妨げる要因となっています。結果として、組織の成長や変革の障壁となることも少なくありません。
失敗を活かす前進力
プロジェクトマネジメントにおいて、単純な正誤の判断基準のみで物事を捉えることは、現実的ではありません。確かに、問題が発生した際に過去の判断を振り返り、どこで誤りが生じたのかを分析することは重要です。
しかし、実際のプロジェクト運営では、完璧を求めすぎるあまり前に進めなくなるのではなく、失敗から学びながら柔軟に軌道修正を行い、継続的に改善を重ねていく姿勢が求められます。このバランス感覚こそが、成功するPMに不可欠な要素となっています。
柔軟な判断力の本質
エンジニアからPMへとキャリアを転換した人材の中には、物事を二値的に捉える傾向が強い場合があります。しかし、現代のシステム開発プロジェクトでは、単純な白黒つけられない状況が頻繁に発生します。技術的な課題だけでなく、ステークホルダーの多様な要求や市場環境の変化など、複雑な要因が絡み合う中で、柔軟かつ総合的な判断が必要とされます。
このような状況下では、デジタル的な思考だけでなく、経験と直感を組み合わせた複眼的な視点が重要になってきます。
まとめ
高い能力を持つPMであっても、失敗による叱責や処罰を恐れるあまり、保守的な判断に終始してしまうことがあります。この過度な慎重さは、新しいアイデアや創造的な解決策の芽を摘んでしまい、結果としてプロジェクトの進捗を遅らせる要因となっています。
システムに関するプロジェクトが進まない時は、思考する、判断する、決断する、責任を追うという能力が欠落していないか、チームや体制を定期的にチェックする必要があるでしょう。例えば、アタラキシアDXでは大手コンサル企業から2年といわれたプロジェクトの効率を見直し、半年で完遂を実現させたことがありますよ。