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派遣の歴史と派遣から完全撤退するには?!

みなさんはどんな雇用形態で働いていますか。
近年、形に捉われない働き方を目指すノマドワーカーの出現もあり、一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。
しかし現実にはまだまだ派遣や正社員として企業で働いている方が多いと思います。

そこで今回は特に派遣に注目して派遣とは何か、どのようにして派遣が生まれたのか、派遣の歴史や派遣契約を結ぶ企業側のメリットデメリットにも触れていきます。

そして最後になぜ企業側に派遣契約からの完全撤退を提案するのか、理由も含めてご説明します。
ぜひ参考にしてみてください。

派遣とは

まず派遣とはどういった雇用形態なのでしょうか。
なんとなくイメージはついているものの、詳しく説明はできなかったり間違った認識をしているかもしれません。
改めて派遣というのは何なのかみていきましょう。

派遣とはここではいうまでもなく派遣社員のことを指しますが、正社員やアルバイト・パートなどと同じ働き方の種類の1つです。
そんな派遣とは、派遣元である派遣会社と労働者が雇用契約を結んで、派遣先の企業で就業するという働き方です。
労働者はあくまで派遣先の企業ではなく派遣元の企業と雇用契約を結んでいるので、給与や福利厚生は派遣元企業のものが適用されます。
働く企業の紹介などのサポートは派遣元の企業がしますが、実際に働いている最中の指示は派遣先の企業が行うのでそれに従いながら就業するというかたちになります。
そして派遣には有期雇用派遣と無期雇用派遣があります。
雇用期間が設定されているかされていないかの違いになりますが、一般的には有期雇用派遣での採用が多いようです。
また、有期雇用派遣として一定期間派遣先の企業で働いたあと、無期雇用派遣として切り替わる場合もあります。

派遣のルーツの歴史

そんな派遣ですがどんな流れを経て生まれたのでしょう。
日本で派遣が流行った歴史を追ってみましょう。

派遣の歴史までも知っている方は少ないかと思いますが、派遣は法改正と共にさまざまな変化をしてきました。
しっかりと基盤が整ったのは比較的最近ですが、もともと派遣のようなシステムが存在していたのはいつからなのでしょうか。

それは江戸時代からだといわれています。
随分前から現在の派遣に相当する「人貸し」というサービスは存在していました。
当時、人貸しに関する規制頭なかったことから、雇用関係や責任の所在が曖昧になっていました。
また、不当な中間搾取や二重三重派遣が行われていたりもして、労働環境はいいものではなかったとされています。

その後は、「労働者供給事業」を禁止にし、現在も適用されています。
この労働者供給事業と、派遣事業との違いは関係性で、支配関係なのか雇用関係なのかという点です。
つまり労働者供給事業には派遣元と働く労働者の間に支配関係があり、派遣事業には雇用関係があるということです。
労働者供給事業を禁止にすることで、支配関係という立場を利用して不当な中間搾取を撲滅しようとしたのです。
実際には、この不当な中間搾取は1950年代までは確認されていたということなので昔の話ではないといもいえますね。
ちなみに、この禁止された労働供給事業は労働組合が厚生労働大臣の許可を取り、無料で行う場合は認められています。

そして1960年代には、人材派遣のサービスが業務請負の形態として普及していき、これの火付け役となったのがマンパワーというアメリカの人材派遣サービス会社でした。
これにならい日本でもマンパワージャパンを設立し、必要なポジションに適切な人材を提供していくこのサービスはさらに普及していきました。
この時業務請負としていた理由は、労働者派遣法がなかったので現在の人材派遣としてサービスを行うことができなかったのです。

1970年代には大手人材派遣会社が誕生に、1985年にはやっと正式に人材派遣サービスがスタートします。
きっかけは先ほども登場した、労働者派遣法が成立したからです。
やはり派遣を合法化し管理もしっかりすることが労働者を守ることにつながると考えたのです。
そしてこの法律が成立したことで派遣先の企業が直接労働者を指揮することができるようになりました。

その後、バブル景気の影響もあり、2000年代には派遣業務は拡大していきました。
バブル景気の後はバブル崩壊や金融危機、デフレが原因で国としては経済面でも低成長期に直面します。
これらの期間は就職活動も困難で人材雇用にもゆとりがあまりありません。
しかし、そんな時期だからこそ固定費になる直接雇用の人件費を人材派遣によう変動機に置き換えることのできる人材派遣のニーズは高まっていきました。

経済成長を促す目的もあったのが、労働者派遣法の規制緩和です。
まず、先ほどお話ししたように需要が高まったことからも対象となる業務を26業務まで拡大しました。
特に大きな変化のきっかけになったのが、対象業務の原則自由化と製造派遣解禁です

  • 対象業務の原則自由化
    元々は派遣ができる業務のみを記すポジティブリスト方式だったのが、派遣禁止業務だけ定められるネガティブリスト方式に変更になりました。
    ちなみにこの派遣禁止業務を正しくは「適用除外業務」と呼びますが、例えば建設業務や港湾運送業務、警備業務、医療関連業務などが挙げられます。
    理由としては日によって業務量に差があったり、適性は業務遂行が求められているような責任ある仕事である場合や、専門知識が必要な場合があるからです。
    この派遣に関しては例外があるので気になった方は詳しく調べてみてください。

  • 製造派遣解禁
    2004年にはニーズが高かった製造業務への派遣が可能になりました。
    これにより、営業・販売・一般事務・製造といった専門業務以外の業務でも派遣が可能になったというわけです。

近年の派遣に関する変化

人材派遣のニーズに合わせて規制も緩和してきましたが、人材派遣が1つの社会問題として取り上げられることが増えてきました。
その理由としては、製造業を中心に派遣ぎりや雇い止めなどの違法行為の頻発や、若年層の貧困化、ワーキングプアの存在です。
結果として、2012年に労働者派遣法の改正からより労働者を保護するような内容になっていきました。
例えば日雇い派遣の原則禁止や離職後1年以内の人材を派遣として元の職場で働かせることを禁止したり、グループ派遣の規制、マージン率等情報公開義務化などです。

そしてさらに2015年での改正では、すべての業務に対して通称3年ルールと呼ばれる派遣期間が適用され、期限制限の見直しが行われました。

完全撤退するには?

派遣の元となる人貸しから考えると長い年月をかけて時代に合わせて規定も変化してきました。
特にIT業界でも人材派遣サービスは活用されていて、派遣エンジニアを雇っているのは珍しくありません。
しかし企業としては派遣社員の雇用から撤退すべき時が来ているのかもしれません。
一体なぜなのでしょか。
IT企業的派遣のメリットとデメリットを交えてご説明します。

派遣メリットデメリット

派遣というのは基本的には労働力の提供です。
したがってシステムエンジニアを雇うメリットは必要な時に必要な数だけを雇うことができるということです。
急遽仕事が増えた場合もスピーディーな派遣が実現するのであれば追加で人員を増やすなど臨機応変に対応することができます。

また、派遣契約というのは指揮権が派遣側にあるのでシステム開発の際などに細かい指示を行うこともできます。
そして必要な時に必要なだけという派遣の特徴でもある雇入れの期限が決まっています。
通常の時は今いる社員で対応して忙しい時のみ派遣を依頼するという使い方をすれば新しく固定費になる正社員雇用をしなくて済み節約ができる場合もあります。

一方でデメリットとしては労働力の提供とはいえ一定の知識を必要とする分野のものであるため派遣でも報酬が高額になるケースがあるということです。
また、派遣契約という契約方法は、成果に対する報酬ではなく基本は時間単位での報酬になります。
このことも重なり、成果物に対する完成責任を持ちません。
簡単にいうと、仕事が完全に終わっていなくても責めることができないというわけです。
これはそもそも派遣が労働力の提供を原則としているからでもあります。
また、当たり前ですが契約期間が定まっているため派遣先の企業にノウハウや技術が蓄積されることはあまりありません。
一定期間だけITに詳しい人材を派遣としてでも雇い入れたいと考えている企業にとってはこの点を理解しておく必要がありますね。

働き方の変化

派遣の歴史と派遣が企業にとってどんなメリットがあり同時にデメリットがあるかもわかりました。
もともとIT企業である場合やITの知識がある人が一定数いる場合は問題ないかもしれませんが救世主的な感覚でITに精通する人材を派遣で雇うのはやめたほうがいいかもしれません。

1番の理由は先ほども述べたノウハウが蓄積されないという点です。
また、思ったより報酬が高くなってしまった割には想定以下の仕事しかしてもらえなかったというのは珍しい話ではありません。
先ほど正社員雇用する分の人件費を抑えることができるというのが派遣のメリットの1つとして紹介しましたが、もしかすると費用を抑えるところを変えてみることが必要かもしれません。

ここ2年、コロナウイルスの影響で仕事の仕方も大きく変わりました。
今までほとんど実施されていなかったテレワークも、業界によっては当たり前で今後もコロナウイルスの収束関係なく引き続き行っていく企業もあるくらいです。
そうすると企業のオフィスを所有している必要は本当にあるのでしょうか。
テレワークでインターネットさえあれば場所を問わず働けるので、思い切って売却してみるのも一つですし、賃貸として一応オフィスを所有するということもできます。
こうして別の部分でも節約すれば正社員雇用にお金をかけることができます。
会社の所在地関係なく全国各地、もしくは海外も視野に入れて優秀な人材を確保することができ、生産性UPや企業として更なる飛躍ができるかもしれません。

まとめ

いかがでしたか。
今回は派遣の撤退について派遣の生まれた歴史や派遣契約利用のメリットデメリットそしてなぜ派遣撤退をおすすめするのか紹介しました。
完全撤退には、これまでの日本のしきたりを見直し、マインドから抜本改革していきましょう。
生産性向上のために企業として何が1番大切で優先事項が高いのか見定める問いが来たのかもしれません。

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