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逆にマニアが潰してしまうこと

趣味の多様化

趣味やコミュニティにファンが定着しないという話をよく耳にします。この現象を理解するには、戦後日本の変遷を振り返る必要があります。

高度経済成長期に入ると、人々の可処分所得が増加し、余暇時間も確保されるようになりました。これに伴い、日本人の趣味の選択肢は爆発的に広がっていったのです。

ITマニアの黎明期

そんな多様な趣味の選択肢の中から、パーソナルコンピュータという新しい文化が誕生しました。初期のパソコンマニアたちは、その後のIT業界の礎を築いていきました。彼らの情熱と探究心は、技術革新の原動力となったのです。

ユーザー数が増加するにつれて、独自の用語やネットスラング、コミュニティ文化が形成され、デジタル時代特有の新しいコミュニケーション様式が確立されていきました。

マニア層の防衛本能

しかし、ユーザー層が拡大するにつれて、必然的にライトユーザーや一般層の参入が増えていきました。この変化に対して、コアなマニア層の中から、自分たちが築き上げた文化や価値観を守ろうとする動きが現れます。

彼らは意図的に専門用語を多用したり、新規参入者に対して高い障壁を設けたりすることで、独自の世界を保持しようとしました。このような排他的な姿勢は、結果として健全なコミュニティの成長を阻害する要因となってしまったのです。

IT業界の社会的変遷

このような状況は、しばしば「マニアが業界を衰退させる」という批判の対象となってきました。IT業界を例に取ると、黎明期には「オタク」というレッテルを貼られ、社会的偏見にさらされることも少なくありませんでした。

しかし、ITバブル期に入ると状況は一変します。テクノロジーの急速な発展と共に、IT関連の職種は一気に注目を集める花形職業となっていったのです。この変化は、マニア文化が一般社会に受け入れられていく過程を象徴的に示しています。

まとめ

現代では、パソコンの使用者をマニアと結びつけて考えることはほとんどなくなりました。しかし、同様の現象は量産型のプログラミング業務の中でも起きていました。ローコード開発の台頭により、プログラミングは特別な知識を持つ人だけのものではなくなり、誰もが気軽に扱える時代となったのです。

マニアから見てしまうと趣味の延長になってしまうかもしれませんが、ITはビジネスに組み込まれてしまっているので、やはりビジネスからの視点でIT領域を把握してたいですね。


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