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提案型のシステム開発が遠いワケ

提案型ビジネス

近年のIT業界では、深刻なエンジニア不足が大きな課題となっています。この問題に対処するため、大手ITベンダーから中小のシステム開発業者に至るまで、「オファリング」と呼ばれる提案型のビジネスモデルに注力しています。

オファリングとは、過去に自社が制作したシステムやソリューションを活用し、あるいは他社との協業を通じて共有することで、新たなシステムを提案するアプローチです。これにより、限られた人的資源を最大限に活用しながら、顧客のニーズに合ったシステムを構築することが可能になります。

このオファリングビジネスの魅力は、効率的な開発プロセスと高い付加価値の提供にあります。過去のノウハウやアセットを再利用することで、開発工数を大幅に削減できます。また、異なる企業の強みを組み合わせることで、単独の企業では実現が難しい高度なソリューションを生み出すことができます。

さらに、オファリングビジネスは、顧客とベンダー間の強固な信頼関係の構築にも寄与します。過去の実績を基に提案を行うことで、顧客は安心してシステム開発を任せることができます。一方、ベンダーは顧客の課題を深く理解し、的確なソリューションを提供することが求められます。

このように、オファリングビジネスは、エンジニア不足という課題に対する有効な対策であると同時に、高付加価値サービスの提供と顧客満足度の向上にもつながります。IT業界全体が力を入れているのも、このビジネスモデルの優位性が認められているからに他なりません。

生産性と収益力の向上

オファリングビジネスでは、ITベンダー側が主導権を持ちながら、自社のオファリングメニューから選択して顧客に提案を行います。つまり、顧客にお伺いを立てて、一つひとつの細かい要望を全て聞き入れるのではなく、自社が強みとするサービスを中心に提案するスタンスに転換するのです。

このようなアプローチを採ることで、ITベンダーは生産性と収益力を大幅に向上させることができます。受注生産型では顧客の要望に合わせてカスタマイズを行う必要がありましたが、オファリングではそうしたムダな工数を省くことができます。また、一度開発したソリューションを他の顧客にも横展開できるため、開発コストに対する回収が容易になり、より高い収益を上げられるようになります。

さらに、オファリングをパッケージ化して標準化することで、品質の安定化やサポート体制の強化も図れます。これにより、顧客からの信頼を確保しつつ、ITベンダー自身の事業継続性も高めることができるのです。ITベンダーにとって、生産性と収益性の両立は経営上の大きな課題ですが、オファリングビジネスはその解決策になり得るのです。

柔軟性確保の工夫

一方で、オファリングビジネスには一定の課題も存在します。最大の懸念点は、顧客ニーズに合わせた柔軟性が損なわれるのではないかという点です。オファリングは基本的にITベンダー主導で進められるため、顧客の個別要望を反映しにくくなり、ミスマッチが生じかねません。

しかし、賢明なITベンダーならば、この課題に対して適切に対処することができるはずです。第一に重要なのは、顧客との対話を大切にし、要望を丁寧に汲み取ることです。オファリングのベースは固定化しつつも、一定の調整を行うことで、顧客満足度を最大限に高めることが可能になります。

また、ITベンダーが手掛けられないニーズについては、専門の中小ベンダーに外注するなどの対応が考えられます。さらに、ローコード開発ツールを活用して、一部のカスタマイズを顧客自身で行えるような仕組みを構築することも検討に値します。このように、オファリングを核としつつも、柔軟性を確保する仕組み作りを行えば、顧客とITベンダーの双方にとって最適な形が実現できるはずです。

人材の重要性の高まり

オファリングビジネスを成功に導くカギは、IT人材の質にあります。オファリングサービスでは、過去に制作したシステムを活用するものの、提案内容次第では大きな違いが生じます。したがって、再利用するシステム開発に関わらず、提案内容はPMやSEの力量が大きく問われます。

これまではプログラミングができる人が「デキるSE」とされていたのが、単にプログラミングスキルが高いだけでは不十分で、経済合理性やビジネス優位性を理解できる人材が求められています。顧客の業務課題をしっかりと把握し、最適な提案ができるかどうかが重要なポイントになってくるのです。こうしたスキルが旧態依然とした常識からの脱却を後押しし、真の付加価値を生み出すことができるはずです。

そのため、ITベンダー側ではこういった高度な人材の確保と育成が喫緊の課題となります。即戦力となる中途採用に加え、新入社員への徹底した教育も不可欠でしょう。業界全体でも、こうしたニーズに対応できる人材の輩出に努力を傾けていく必要があります。オファリング時代を生き抜くためには、人的資本の質の向上が極めて重要になってくるのです。

まとめ

深刻なエンジニア不足の時代にオファリングビジネスがわかるSEは希少です。当然にそういったSEやPMは多忙ですので、能力の高いSEを属人化させることなく、PMOなどチームでオファリングを体系化するなどの組織構築が非常に重要です。

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