ローコード×DevOpsでDXを加速
ローコード開発
ローコード開発は、プログラミングの知識やスキルがなくても、直感的な操作でアプリケーションを開発できる手法です。そのため、従来の開発手法ではエンジニアが担っていた開発作業の一部を、非エンジニアやユーザー部門が担うことで、開発期間の短縮やコスト削減につながり、現場の声を反映したアプリケーションを迅速に開発できます。
しかし、ローコード開発にはプログラミングスキルよりも運用面からアプローチできる人員が必要になるという課題もあります。この手法では、アプリケーションのロジックやUIはプラットフォームによって自動的に生成されますが、運用面の設定やカスタマイズは必要になってきます。そのため、運用面の知識やスキルを身につけた人員の確保が求められるのです。
また、ローコード開発では、開発チームと運用チームが密接に連携して開発を進める必要があります。従来の開発手法では、開発チームと運用チームはそれぞれ別の工程を担当し、コミュニケーションが不足するケースもありました。しかし、ローコード開発では、開発と運用が密接に連携して行われるため、DevOpsのような開発手法が求められます。
DevOps
DevOpsとは、開発チームと運用チームが協力し合いながら、ソフトウェアの開発から運用までをシームレスに行う手法です。この手法では、開発チームと運用チームが同じ目標を共有し、コミュニケーションを密にすることで、ソフトウェアの品質と信頼性を向上させることが期待できます。
ローコード開発とDevOpsは、それぞれが独立した技術や手法ではありますが、ローコード開発で開発したアプリケーションを、DevOpsによって迅速かつ効率的に運用することで、「開発期間の短縮・コスト削減・品質向上」などの効果が期待できます。
海外人材活用、ブリッジSEが鍵
トヨタ自動車では、業務システムの開発にOutSystemsを採用し、ベトナム人SEを大規模に採用しています。OutSystemsは、ローコード・ノーコード開発プラットフォームであり、プログラミングスキルがなくても、ドラッグ&ドロップで業務システムを開発することができます。そのため、トヨタ自動車はベトナムでIT人材の育成を進め、ベトナム人SEを採用することで、OutSystemsによる業務システム開発を加速させています。
しかし、そこには日本語が話せるブリッジSEが足りていないという問題があります。ブリッジSEとは、ベトナム人SEと日本語を話せる日本のSEをつなぐ役割を担うSEで、ベトナム人SEの技術的な質問に日本語で答えたり、日本のSEの指示をベトナム語に翻訳したりするなど、両者のコミュニケーションを円滑にするために不可欠な存在です。
トヨタ自動車は、ブリッジSEの不足を解消するために、以下の対策を講じています。
- ・ベトナム人SEに日本語教育を行う
- ・日本語を話せる日本のSEをベトナムに派遣する
- ・ベトナム人SEと日本のSEをペアで配置する
しかし、これらの対策だけでは、ブリッジSEの不足を完全に解消することは難しいです。ブリッジSEの不足は、トヨタ自動車だけでなく、多くの日本企業が直面している課題でもあります。日本企業は、今後も海外人材の採用を進めていくためには、ブリッジSEの育成・採用に積極的に取り組んでいく必要があるでしょう。
IT業界の潤滑油
IT業界ではグローバル化が進むにつれて、英語でのコミュニケーションが求められる場面が増えていますが、日本国内の開発者は、必ずしも英語に堪能であるとは限りません。そこで、欠かせないのがITコムターというあまり目立たないポジションの人材です。
ITコムターは、日本語と英語、またはその他の言語に精通した人材であり、日本語設計書を英語に翻訳したり、英語の設計書を日本語に翻訳したりすることで、開発者と海外のエンジニアとのコミュニケーションを円滑にしてくれています。
しかし、単に翻訳をするだけでなく、設計書の意味を正確に伝えることも重要になってきます。設計書には、システムの全体像や機能、仕様などが記載されていますが、これらの情報を正しく理解しないと、開発がうまく進まない可能性があります。そのため、ITコムターは、設計書の意味を理解するために、開発者からヒアリングしたり、システムの動作を確認したりといった作業も行います。
日本とベトナムの架け橋
ITコムターは、ベトナム人IT技術者を対象とした日本向けのITコミュニケーションの専門家です。日本企業のソフトウェア開発プロジェクトに参画し、顧客とのコミュニケーションや、開発チームへの翻訳・通訳、テストなどの業務を担いますが、日本が好きであることが多いので、積極的にいろいろな作業で活躍してます。その活躍の範囲は、まるでビジネスアナリストのようです。
その中でも、特にテスターとしての役割を担うことで、的確なフィードバックを開発チームへ送ることができます。顧客の立場からソフトウェアを使い、顧客が感じる不便や改善点を見つけることで、開発チームがより良いソフトウェアを開発するために役立ちます。
具体的には、以下のような業務を担います。
- ・顧客との要件定義のセッションに参加する
- ・顧客の要望を開発チームに的確に伝える
- ・開発チームの進捗状況を顧客に報告する
- ・開発したソフトウェアのテストを行う
- ・テスト結果を開発チームにフィードバックする
ITコムターは、日本のIT業界において、重要な役割を担っており、その活躍は今後もさらに広がっていくと考えられます。その理由は、以下のとおりです。
- ・日本のIT人材不足が深刻化している
- ・ベトナムのIT技術者人口は増加している
- ・ベトナムのIT技術者の日本語能力が向上している
日本のIT人材不足が深刻化する中、ITコムターは、日本のIT業界の人材不足を補う存在として期待されています。また、ベトナムのIT技術者人口は増加しており、今後もさらに増えていくと考えられます。さらに、ベトナムのIT技術者の日本語能力も向上しており、日本企業とのコミュニケーションがより円滑にできるようになっています。
これらのことから、ITコムターの活躍の可能性は、今後もさらに広がっていくと考えられます。
まとめ
いかがでしたか。
基幹業務システムのローコード開発ツールにはOutSystemsの他にZeneXusなどがあり、要件を聞いた後の構築段階に、強化されたITコムターを起用するのもありかもしれません。
テスターやビジネスアナリストとして活躍する彼ら彼女らを見て、開発要員不足の解決策になるのではないかと思います。
ITコミュニケーター(IT Comtor)でブリッジSEの守備範囲をフォローする開発チームの作り方を伝授します。効率的な開発チーム構築ならDX経験が豊富なアタラキシアDX株式会社にお任せください。